祈りがこもった贈り物

以前に南の国で麻酔科をしていた時に、とても親切にしてくれた看護師さんがいました。麻酔科医のいなかった病院に入職した私は、麻酔科医が一体何をする人かわかってもらえない状況で、その看護師さんは理解を示してくださり本当に心強かったのです。彼女も別の病院の手術室でバリバリ働いていた方でしたが、私とほぼ同時期に入職してきました。ところが、とてもよくできる有能な人だったので、他のずっといる看護師たちにねたまれてずいぶんひどいいじめにあっていました。ちょっとしたことでからかわれ、笑われて、見ているのがつらかった。コロナがひどくなって手術も減って南国のその病院には私の仕事がなく、私は北の国に戻ることにしたのですが、お別れの時にその看護師さんがくれたボールペン。ただのボールペンじゃないです。祈りがこもっていました。このペンをみると、不遇な状況にあっても頑張ろうって励ましをうけます。いじめを受けていた看護師さんもほどなく、その病院を去りました。忍耐する価値がない病院だったということでしょうね。日本では我慢することが美徳のように言われますが、冷静に考えて、忍耐する価値がある状態なのかよく考えたほうが良い場合も多いですね。

このボールペンがカバンの奥から出てきて、久しぶりに彼女から応援の祈りが感じられました。彼女も日本のどこかで頑張っていると思います。彼女のために祈ります。感謝です。