春の野草

一気に雪が解けて待ってましたと緑に染まる北海道です。知人から行者ニンニクいただきました。北海道ではアイヌネギともいいます。新鮮な行者にんにくはその香りも強烈だけど、パワーみなぎりますね。

 

春の山菜を食べると思い出すことがあります。

 

20年ぶりくらいにアメリカから帰って自宅に行ってみると、母はすっかり認知症になっていてやることなすことめちゃくちゃになっていた。野菜炒めに油の代わりに洗剤入れるし、トイレのカギをかけたら開け方がわからなくなってトイレにこもってしまったり、父のことを泥棒だと思って隣人に助けを求めたりしていた。徘徊して警察のお世話になることも何度もあった。でも久しぶりに会った私のこと何となく思い出して、すごくうれしそうに「ごちそう作るね。」といって家の裏から細いフキをとってきてキッチンに置いたけど、それをどうしてよいか料理方法を思い出せなくなっていた。結局、私にごちそうを作ってくれようとしてせっかくとってきた細いフキたちは、キッチンに無残に置かれたままとなっていました。手作りの母の料理はもう食べれなかったけど、母のもてなしの気持ちは十分に伝わったよ。

時は流れ、もう母もいなし、両親の住んでいた家もないけど、春になると野にはまた草が生えてきて、こうして山菜いただいて、ちょっぴりと昔のことを思い出して懐かしみます。